流動資産と固定資産-資産の種類

<概要>

  • 資産には『流動資産』と『固定資産』がある
  • 『流動資産』はすぐに現金化出来るが、『固定資産』は現金化に時間が掛かる
  • 資産を見れば会社の安全性が判断できる

 

そもそも『資産』とは?

普段ニュースなどに接していると、不動産やお金をたくさん持っている人のことを『資産家』と呼んだりしますね。
また、企業のスローガンやキャッチコピーで『人材こそ資産』という表現も使われます。

しかしながら、会計における『資産』とは少し意味が異なります。

『資産』=会社が持っている財産を指します。
それならば、人材だって財産じゃないか、と思いますが、あくまでも『会計』上の話では『人材=財産』ということにはなりません。

この『資産』にも分類があります。『流動資産』と『固定資産』です。

資産の分類
  代表的な勘定科目
流動資産
  • 現金
  • 普通預金
  • 当座預金
  • 売掛金
  • 貸付金
固定資産
  • 土地
  • 建物
  • 車両
  • 備品
(有形固定資産)
  • 特許権
  • 著作権
(無形固定資産)

『流動資産』と『固定資産』この違いは、一つの目安として、『現金化』の容易さがあります。
普通預金は銀行・ATMに行けばすぐですし、当座預金・売掛金・貸付金も普通預金ほどではないにせよ、手続きを踏めば現金化出来ますね。
一方の、土地や建物などの『固定資産』は直接、または業者を介して売らない限りは現金にはなりません。
また、売るときに必ずしも帳簿上の価格で売れる保証もなく、『流動資産』に比べるとはるかに現金化に時間がかかります。

以前紹介した『貸借対照表』では会社の財政状態が分かる、と紹介しましたが、特に『流動資産』を見ると、『会社の安全性』が明らかになります。
『流動資産』に余裕がある=現金化出来る資産に余裕がある=商取引に対する支払い能力に余裕がある
ということで、安全性がわかります。

一方で『固定資産』を見ることで『会社の基礎体力』がわかるとされています。
『固定資産』に位置付けられるものには、現金化はすぐには出来ないものの、事業には欠かせないものが含まれていますし、特許権や著作権といったものは、業績アップにつながるポテンシャルを秘めていますね。

投資家や取引先は、これらの資産状況を見て、投資に値するかどうか、安心して取引ができるかどうかを見ていくわけです。
 

勘定グループと勘定科目の分類分け

これは、ことさら『資産』というグループに限った話ではありませんが、『勘定科目』と予めコード化して、システムに組み込む場合に注意するべき点ですね。

大分類として『資産』 『負債』 『資本』 『収益』 『費用』というものがあり、全ての勘定科目はこれらのいずれかに属するわけですが、『流動資産』と『固定資産』の様に、『資産』の中に中分類があるというケースは、『資産』以外にも存在します。

『貸借対照表』や『損益計算書』にもそれは現れていますが、勘定グループと勘定科目の間にある中分類、これも踏まえて設計する必要がある訳です。

そうしておかないと、実際に集計するときに、何を基準にして集計すればよいかわからないので困りますよね。

『貸借対照表』を集計して表示するプログラムを作る際に、プログラムのソースコード中に、『流動資産』に当たる勘定科目はコレとコレ・・・と言うように直接列挙するなんて事になればゾッとしますよね。
作った時点ではそれでよかったとしても、勘定科目が増えたらどうしましょう?

コード化して設計するメリットは、『勘定科目』が増えたり減ったりしても、プログラムを変更する必要がないというのも一つのメリットです。
これを上手く活かすには、分類分けすることがわかりきっている『流動資産』や『固定資産』などの中分類は最初から考慮してコード化しておいたほうが良いですよね。
そうすれば、プログラムは『中分類:流動資産』に該当する勘定科目を集計する、としておけば良いのですから。

 

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