<概要>
- 仕入帳は仕入れた商品の明細を記録するための補助簿。
- 今後の仕入計画の策定にも役立てることが出来る。
仕入帳は簿記における『補助簿』の一つで、「いつ」「どこから」「どの商品を」「どれくらい」「いくらで」仕入れたかという、仕入の明細を記録するための帳簿です。
仕訳帳や総勘定元帳では、1回の取引で複数の品目を仕入れた場合、それをまとめて記載しますが、仕入帳には仕入の詳細を記録します。
仕入帳への記入の手順
紙ベースで仕入帳への転記を行う場合には、以下の様な手順で行うことになっています。
- 一つの取引毎に、日付連に日付を記入。
- 摘要欄に取引先名、決済方法を記入。
- 次の行の摘要欄に、1字分下げて、商品名、数量、単価を記入。
- 金額欄に、仕入原価を記入。一つの取引で複数の品目があるときは、内訳欄にそれぞれの品目ごとの仕入原価を書き、金額欄にその合計を記入。
- 仕入にかかった運賃なども、摘要欄~内訳欄に記入し、仕入代金に加算。
- 仕入後の返品や値引きはすべて赤字で記入。
- 一つの取引の金融が終わったら、摘要欄から内訳欄まで、赤で区画線を引く。
- 最後の取引には区画線を引かず、締め切る。
- 【〆切時】 金額欄の上に合計線を引く。
- 【〆切時】 摘要欄に「総仕入高」と記入し、金額欄に仕入金額の合計を記入。(赤字で記載した返品、値引きの額は除く)
- 【〆切時】 次の行の摘要欄に「仕入値引・返品高」と記入し、金額欄に合計金額を記入。(いずれも赤字で)
- 【〆切時】 次の行の摘要欄に「純仕入高」と記入し、金額欄に「総仕入高」から「仕入値引・返品高」を引いた金額を記入。
- 【〆切時】 「純仕入高」の日付欄と金額欄の下部に〆切線を引く。
仕入帳の記入例
仕入帳の扱いはどうするか?
簿記をシステム化する場合、仕入帳はどう扱えば良いのだろうか?
システム化を考えた場合、最重要の帳簿・表は『仕訳帳』となり、その1取引がシステムで扱うデータの単位となるわけだが、仕入帳で扱うのは、『仕訳帳』では『仕入』としてひとまとめにされた取引の内訳である。
そのため、システム化するかどうかという判断も必要だが、システム化の対象に含める場合は、入力も出力も考えねばならないし、『仕訳帳』は『仕訳帳』とは独立した表として設計する必要がある。
ただ、仕入帳に関しては、データの入力が発生するタイミングは、仕訳帳に『仕入』勘定の取引が記入されるタイミングと一致するし、『仕入帳』に記入するのは、取引の明細であるため、『仕訳帳』の『仕入』勘定のデータと関連づいている必要がある。
以前の記事で仕訳表に『仕訳枝番』という項目を付け加えて、『借方』・『貸方』が1対1にならない取引に対応できると紹介したが、、『仕入帳』の代わりを『仕訳枝番』で対応するかどうかは悩みどころである。一度の取引でさほど多品目を仕入れないのであれば、『仕訳枝番』で対応しても良いかもしれないが、品目が多い場合は素直に『仕訳帳』のサブの表として『仕入帳』を設けたほうが良いかもしれない。
コメント