<概要>
- 資産のグループには、現金、預金などの流動資産、土地・建物などの固定資産の勘定科目がある
- 資産が増加した時は『借方』に記入
- 資産が減少した時は『貸方』に記入
資産の勘定科目
資産のグループには「流動資産と固定資産-資産の種類」の記事で紹介したように、現金、預金、債権などの流動資産の勘定科目と、土地、建物、著作権などの固定資産の勘定科目があります。
なお、資産にかぎらず、勘定グループはどんな科目が実際にあるのか、覚える他ありません。(簿記の試験のことを考えれば)
もっとも、実務や情報システムを活用する場合には、必ずしも暗記する必要はなく、取引に応じた適切な勘定科目を素早く見つけられれば良いのですが。
勘定科目 | 内容 | |
---|---|---|
流動資産 | 現金 | 紙幣や硬貨などの通過、通貨代用証券 |
普通預金 | 一般的な預金 | |
当座預金 | 小切手を振り出して引き出す預金 | |
小口現金 | 経費支払のため前もって小払係に渡しておく現金 | |
受取手形 | 約束手形、為替手形を受け取った時に生じる債権 | |
売掛金 | 代金後払いの約束で商品や製品を売り上げた場合に生じる債権 | |
短期貸付金 | 得意先・仕入先・役員・従業員等に貸したお金で1年以内に返済されるもの | |
有価証券 | 売買目的で所有する株式、国債、地方債、社債等 | |
商品 | 販売目的で所有する物品。 繰越商品は期末に残った商品の残高(=在庫)のこと |
|
前払金 | 商品の仕入などに際して前払いしたお金 | |
未収金 | 固定資産や有価証券の売却によって生じた債権 | |
立替金 | 取引先や従業員などに対して一時的に立替払いしたお金 | |
仮払金 | 内容や金額が未確定な出金を一時的に処理する勘定 | |
前払費用 | 当期に支払った費用のうち次期以降の費用になるもの | |
未収収益 | 当期に発生した収益のうちまだ受け取っていないもの | |
貸倒引当金 | 売掛金等の貸倒れにそなえ貸倒見積額を費用計上したもの | |
固定資産 | 土地 | 店舗・倉庫などの敷地や駐車場 |
建物 | 店舗・倉庫・事務所などの建物 | |
建築物 | 塀や広告塔など | |
車両運搬具 | 自動車、トラック、オートバイなどの車両 | |
備品 | 机、椅子、パソコン、コピー機などの物品 |
仕訳の手順
例)150万円の社用車を購入し、現金で支払った。
この取引では、「社用車」を購入していますが、社用車は『車両運搬具』にあたりますので、『車両運搬具』という資産が増加したことになります。
対して、その対価を『現金』で支払っていますから、『現金』という資産が減少したことになります。
これを『仕訳』として表現すると、以下のようなイメージとなります。
借方 | 貸方 |
---|---|
車両運搬具 : 1,500,000 | 現金 : 1,500,000 |
仕訳ルールと勘定科目とシステム
簿記の試験をうけるのであれば、勘定科目は覚えておかないといけませんが、せっかく情報システム化するのであれば、覚えなくても大丈夫なようにしておく必要があります。
このように人力でやる場合は暗記したり、手元に対応表を置いておかないといけない作業を、代わりにコンピューターに覚えさせておく、というのも情報システムの大きなメリットとなります。
特に『勘定科目』は予めシステム側で必要な科目を登録しておいたほうが良い類の典型的な例です。
とはいえ、システムを利用する場合でも、特によく行う取引と対応する勘定科目は覚えておいたほうがスムーズに作業ができることは言うまでもありません。
仕訳ルールや勘定科目とシステムの関わりは、以前の記事「仕訳と勘定科目」でもすでに触れていますので、詳細はそちらをご覧ください。
以前の記事でも『取引パターン/仕訳パターン』も用意しておいたほうが良いと説明していますが、この記事の例であれば、以下のような『仕訳パターン』を用意しておけば、取引のたびに勘定科目を探す必要がなくなるわけです。
金額や日付は取引の都度入力する必要がありますが借方、貸方の科目自体は毎回同じですので、それを選びなおす必要がないというのが、この方式のメリットです。
<仕訳パターンの例>
パターン名称 | 借方科目 | 貸方科目 |
---|---|---|
車両の購入(現金払い) | 車両運搬具 | 現金 |
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